マッチングアプリを通じて見知らぬ異性と知り合い、真剣交際や結婚に至るケースは、今や当たり前の光景となっています。
もちろん、遊び目的でスマホアプリを利用して出会いを求める人も少なくありません。
インターネットを利用した出会い系サービスのパイオニアといえば、どのようなサービスを思い浮かべるでしょうか?
10代、20代の若者であれば、マッチングアプリブームの先駆けとなったPairs(ペアーズ)を挙げる人が多いでしょう。
30代以上の方は、出会い系サイト時代の定番サービス「スター・ビーチ」を思い浮かべるかもしれません。
この世代は出会い系サイトから出会い系アプリへの発展を肌で感じてきており、10代・20代の若者もガラケーからスマホへの移行と共に出会い系サービスの進化を身近に感じています。
通信端末を使った出会い系サービスには、約40年の歴史があります。
では、その発展を時系列で見ていきましょう。
男女の出会いは、同級生や同僚、サークルなど共通のコミュニティで見つけるか、知人などの紹介で出会うのが一般的です。
マッチングアプリが普及している現代でも、インターネットの出会いではなくリアルで自然に出会うことを理想とする人も多くいます。
昔からパートナーを自分で見つけるのが難しい人は、出会いをサポートするサービスを利用してきました。
本来出会うことがなかったかもしれない人たちに、出会いのチャンスができました。
インターネットが普及する前、出会いの場として特に有名なのが結婚相談所ですが、この歴史は江戸時代にまで遡ります。
当時、町医者など幅広い人脈を持つ人たちが男女の出会いを仲介していたことが始まりとされ、江戸時代には「慶安」という、現在の結婚相談所のような組織も存在していたと言われています。
今でも専門家のサポートがある結婚相談所はありますが、料金が高く、誰でも気軽に利用できるわけではありません。
しかしインターネットの普及により、結婚相談所と比べてかなり安く利用できる出会い系サービスが登場していきました。
インターネットではありませんが、通信を利用した出会いの始まりといえば、テレクラ(テレフォンクラブ)です。
1985年に登場したテレクラは、電話を通じて異性と会話を楽しむ場として人気を集め、街中に専門店が数多く見られるようになりました。
当時はまだポケベルや携帯電話が普及する前の時代です。
テレクラでは、店舗内で鳴る電話を通じて男女が知り合い、話をしてから実際に待ち合わせをするという仕組みでした。
1986年にはNTTが伝言ダイヤルというサービスを開始し、1991年にはツーショットダイヤルが大ブームとなりました。
1985年から1990年代にかけて電話を利用した出会いが一世を風靡しましたが、インターネットの普及と規制の強化によって、テレクラなど電話を使った出会いの文化は次第に姿を消していきました。
それまで事業者が使っていた高価な電化製品であるパソコン。
1995年に発売されたWindows95搭載パソコンは、個人でも手軽に利用できる最先端ツールとして大ヒットを記録しました。
さらに、ADSL方式によるインターネット回線は手軽に導入することができたため、家庭でインターネットを楽しむ人が爆発的に増加。
これにより、インターネット上の無料掲示板が人気を集めるようになります。
当時、まだツーショットダイヤルが盛んに利用されていたため、遊び目的でインターネット掲示板を利用する人も少なくありませんでしたが、掲示板を通じて同級生と繋がり同窓会を企画するなど、健全な出会いを楽しむ人も多くいました。
1999年に携帯電話向けインターネットのiモードやEZweb、さらにカメラ付き携帯電話が登場し、一気に出会い系サイトブームが巻き起こすこととなります。
特に、月間1,200万アクセス・月間4.5億アクセスを記録した「スター・ビーチ」が登場したのもこの年で、2000年代を象徴する出会い系サイトとなりました。
インターネットを通じて、若者でも手軽に出会いを探せるようになるなど、革新的な変化が起こり、様々な出会い系サイトが次々に登場したのです。
ただし、初期の頃から遊びや勧誘を目的としたユーザーも多く、出会い系サイトで知り合った人と真剣に交際することは、当時世間から厳しい目で見られていた時代でもあります。
SNSの草分け的な存在であるFacebookは、2008年に日本版が公開されました。
実名を使ったネットコミュニティは当時珍しかったものの、リアルな知り合いと身近な出来事を共有できるツールとして、幅広い世代から人気を集めました。
一方で、実名を公開し、他人が閲覧できるコメントが投稿できる仕組みだったため、不純な出会いを目的とする人が少なかったのも特徴です。
Facebookが登場する前に流行していたmixiは、匿名で利用できる手軽さもあり、若者の間では出会いの場として活用されることが多くありました。
ただし、mixiを通じた出会いもスター・ビーチなどの出会い系サイトと同様にトラブルリスクがあり、世間体の悪い出会い方と見られることが多かったです。
2012年に登場したPairs(ペアーズ)は、マッチングアプリの草分け的な存在です。
初期には、Facebookで友達が5人以上いないと登録できず、マッチングして仲良くなった相手とは、実際に会う前にFacebookで繋がる仕組みでした。
それまでの出会い系サービスでは、相手の素性が分からないケースが多かったのに対し、Facebook連動型のマッチングアプリは安心・安全な出会い方として広く認識されるようになりました。
2012年以降は、様々なマッチングアプリが登場し、人気を集めています。
昔は出会い系サービスに対する偏見がありましたが、若者を中心に、マッチングアプリでも健全な出会いができるという印象が広がりました。
今ではアプリで知り合ったパートナーと真剣交際を経て結婚に至ることも珍しくありません。
Pairsのように、長年続いているマッチングアプリも毎年機能をアップデートし、さらに進化を遂げています。
InstagramなどSNSを使った出会いも増えており、恋人探しを目的にTikTokなどで動画配信する若者も多く見られます。
さらに、ライブチャットでのコミュニケーションやZoomを使ったオンラインデートの需要も高まっており、将来的にはVRを活用した出会い系サービスの普及も予想されています。
若者の間で出会い系サービスのネガティブなイメージが払拭された結果、40代・50代以上の男女もマッチングアプリを利用する機会が増えています。
こうやって、出会い系サービスは時代に合わせて進化を続けています。
婚活、恋活、お手軽デートなど、様々なカテゴリが成立し、それぞれが明確に棲み分けされています。
マッチングアプリを中心とした出会い系サービスは、出会いを求める全ての人々におすすめです。
一方で、これらのサービス普及率があがるにつれて利用者が増えているため、競争が激化しているのも事実。
ただアプリに登録して連絡を待てば異性と出会えるという時代は終わり、他大勢のライバルと差別化したやり方が求めらるようになりました。
出会い系アプリ攻略など、出会い系での立ち振舞を解説したサイトも登場しているので、サービス利用時は参考にしてみてはいかがでしょうか。