2000年代後半の時点で出会い系の悪いイメージが完全に払拭されたとは言い切れませんが、法規制の影響やアプリ化で良い影響が出ていたのは確かです。
遊び目的が中心のコンテンツではなく、真剣恋愛や本気の恋活で出会い系を使う風潮が強まっていきます。
これは出会い系が従来より安全になったことが関係していて、若者を中心に健全な出会い系の活用が広まっていきました。
2008年に改正された出会い系規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)により、登録するユーザーの年齢確認が必須になりました。
法律上は年齢確認だけが必須で本人確認までする義務はありません。
一部の出会い系はクレジットカードで100円の決済をするだけで年齢認証をできる所もありますが、多くの出会い系が自主的に身分証などによる本人確認を本会員登録の条件にしています。
これまでは年齢や身分を偽って活動することができ、出会い系は得体の知れない相手と繋がる危険なコミュニティでした。
年齢確認の義務化で本人確認を必須にする風潮が強まったことで、出会う相手は本人確認を済ませている安全なユーザーだと捉えられるようになります。
こうした法改正と参加者の変化によって、出会い系は徐々に悪いイメージが払拭されていくのです。
マッチドットコムはギネスブックにも登録されている世界最大手のマッチングサイトです。
2002年に日本語版サイトがリリースされていましたが、2007年に日本法人が立ち上げられて国内での注目度を高めていきます。
法規制でスタービーチが姿を消してから2012年にペアーズが登場するまでの7年は、覇権を取った出会い系が不在の空白期間でした。
その2000年代後半に存在感を出していたのがマッチドットコムです。
現在、アメリカで結婚する人の4%がマッチドットコムで知り合っているとも言われていて、真剣な出会いを探すマッチングサイトのパイオニアとも呼べる存在です。
残念ながら日本では悪質ユーザーの活動が目立っていて、海外に比べてシェアが伸び悩んでいます。
それでも2000年代後半にはマッチドットコムの影響で、出会い系は真剣な出会いを得られるものだと少しずつ浸透していき、国内で新たな競争が生まれるキッカケになりました。
特に重要性されるようになったのが、運営による監視体制の強化です。
サクラや勧誘、なりすましなどの悪質ユーザーを運営が監視して、通報システムとスタッフによる有人対応で悪質ユーザーが排除されていきます。
こうした地道な努力で出会い系は健全なイメージが定着していき、監視体制の面で国内の運営会社がリードをしていったのです。
ミクシィは2007年頃から爆発的な大流行を巻き起こし、2011年頃まで国内のSNSで覇権を取っていました。
ミクシィブームによって、SNSで出会いを探す人が急増します。
当初のミクシィは招待制で2010年からは誰でも参加できるようになりました。
年齢は自己申告制で年齢確認をしていなかったため、簡単に身分を偽って登録することができ、トラブルになっても運営元がユーザーの身元を特定することができません。
ミクシィブームでSNSを使った出会い探しがブームになりますが、そこで遊びや勧誘目的など危険な出会いが続出します。
その結果、ミクシィで出会いを探すよりも本人確認などをしっかりしている出会い系の方が健全だよね?といった流れで出会い系サービスにユーザーが戻っていくのです。
整備がされていないSNSとは異なり、マッチングサービスは法整備されて健全性が高いことをアピールしてユーザー獲得を目指していきます。
その結果、安全性が高まっていって真剣な出会いも探せる場所として注目されていきました。